「無難」を捨てた朝ーカンヌ階段顛末記

パルムドール発表まであと少し。結果を楽しみに待っていらっしゃる方もいらっしゃると思います。そんな皆さんに向け、閑話休題的にお楽しみいただけるニュースレターを書きました。カンヌ渡航直前に、監督や俳優さんたちと一緒にレッドカーペットを歩くメンバーに選ばれてからの日々のこと。名付けて「カンヌ階段顛末記」。階段から見下ろした風景はよく覚えていないけれど、階段から見上げた空の色はよく覚えている私です。
磯野真穂 2026.05.23
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皆で一緒にレッドカーペットを歩きます

「レッドカーペットを皆で歩くらしいです」

プロデューサーの松田さんからの来たメールの添付書類にそんな文言を見つけたのが、カンヌ渡航5日前。5月7日の朝である。

これは一体?

「皆で歩くと書いてありますが、「皆」とは、監督と俳優さんのことですよね?」と確認のメールを送ると、その「皆」には私も入っていることが判明。

状況がわからず混乱してきたので、「階段を上がるメンバーというのは、”カンヌ映画祭”と検索するとヒットするような、赤絨毯の上にいる写真のメンバーを指すのでしょうか」と、なんだか長ったらしい質問をいまいちど送ると、その通りであるとのお返事。

カンヌ映画祭にご招待いただけるとわかったのが4月の下旬。それだけでもフワフワした気持ちでいたのに、まさかあの赤い絨毯の上を、1週間後に私が歩くことになるとは完全に想定外である。

しかも最初は、「映画祭に行ったところで、監督・俳優の皆さんがレッドカーペットを歩くところも見られるかわからない」と言われていたのだ。これはあまりの急展開。

一体どういうふうにふるまって、どんな格好をすればいいんだろう。私は普段は、リュックを背負い、スニーカーを履いて街を歩いている人間である。

しかも喫緊の撮影はボクシングジムで、その写真が掲載されたのはトレーニング雑誌「Tarzan」。もと運動生理学専攻の私にとってかなりの誉であったものの、レッドカーペットとは距離がありすぎる。

検索をすると現れる天上界の人々

とりあえず「カンヌ、レッドカーペット」で検索をする。

セリーヌ・ディオンとか出てきてしまうので、話にならない。

次に「カンヌ映画祭、日本人」で検索してみる。そこに出てくるのも当然ながら、名だたる方ばかり。全く参考にならない。

原作者で近年レッドカーペットを歩いた人はいるのかと聞いたら、もらった返事は、カズオ・イシグロ。そんな天上人を出さないで…。

仕方ないので「カンヌ映画祭、一般人」で検索。

どうやって入場できるか、みたいな情報は出てくるけど、私は入場カードはもらえるのである。それ以外は、海辺の楽しみ方とか…。

置かれた状況が状況なだけに検索が機能しない。

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  • あなたに「無難」はいらない
  • 好きなブランドの店員さんに相談に出かける。
  • 一つとして同じ模様はできない「バンドルダイ」 
  • 小物も大切です!
  • エフィラさん、カンヌは14回目-無難を捨てた私は正解だった
  • 階段でよそ見をしていたわけではなかった

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