「銀河の一票」とテクノロジー

久しぶりに全話完走したドラマ『銀河の一票』。「あかり」と「ひかり」が、「”まつり”ごと」の中に何層にも散りばめられた見事な演出と脚本でした。「急に具合が悪くなる」と重ねて楽しんでいらっしゃる方も結構いたみたい。
磯野真穂 2026.07.01
誰でも

月曜ドラマ「銀河の一票」が最終回を迎えた。最終回が来週だったら、ちょうど七夕と被ってより感慨深かったのに、と思う。

主人公の人生の「あかり」を奪ったテクノロジーが、最終回では、「きれいなことが溢れる社会が生まれますように」と願う人々の「あかり」となり、それが銀河の星々の一つ一つになって、夜空の下の流星を照らす。

テクノロジーは人を暗闇に突き落としもするが、同時に誰かを照らす光にもなりうる。

日高のり子さんの回もとてもバランスの取れたテクノロジー批判をしていると思ったけど、最終回は、演出でそれを見せていた。

「あかり」と「ひかり」を、「”まつり”ごと」の中に何層にも散りばめた上で、本質的なメッセージを視聴者に感じさせる。

しかもエンターテイメント性を保ったまま。

日高のり子さん出演の回をたまたま観てハマり、そのまま全回制覇した、本当に久しぶりに見た連続ドラマ。言葉を届けることを仕事にする身として、多くを学ばせてもらいました。

「急に具合が悪くなる」と重ねて楽しんでいらっしゃる方も結構いたようです。こうやって人々の想像力はつながっていくのだと、原作者として感じるところも多かったです。

ちなみに私の人生史上傑作のTVドラマは「王様のレストラン」なのですが、「銀河の一票」はそこに並ぶドラマでした。楽しませることのできる人々の真剣さって美しい。

ただちょっと気になったというか、今っぽいなと思ったのは、「ひとりひとり」が掛け値なく素晴らしいこととして、何度も語られること。

なぜ「ひとりひとり」がここまで素晴らしいものと言われるのかは(もちろんその真逆のような動きもあるわけだけど)、この数年の私の関心であり、9月の新刊「社会が壊れるその前に」の中核テーマとなっています。

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