言葉の置き場を探して|ニュースレターの配信を"theLetter"で再開します
なぜ “theLetter?”
theLetterでニュースレターを配信させてもらうことにした理由。それはプラットフォームの作り手が見えているから。
ここに至るまで、代表の濱本至さんとは何度もお話しをさせていただきました。濱本さんの考え方や、姿勢、運営の方法に共感したので、書き手に加えてもらうことにしました。
Xから撤退と書き込んだ日|SNSをどう使うかという難問
TwitterがXに変わった2023年の7月。私は自分の予定帳に「2025年7月、Xから撤退」と書き込みました。でも、私はいまだにXから撤退していないし、投稿もしているし、課金もしています。
その理由は、そう書き込んではみたものの、撤退が果たして最善・最適の方法なのかに迷いがあったからです。(課金をしている理由はまた別に書きたいと思っています)
大学のポジションを失くしてからの4年間、私が生き延びることができたのはTwitter(現X)のおかげでした。
教育機関や大手メディアの手を借りずとも、やりたいことを世界中に広報できるツールがあったからこそ、私が開いた講座には、日本全国ばかりでなく、世界各国からも参加者が集まってくれたのです。
でも他方でずっと、このツールは人をおかしくするとも感じ続けていました。
SNSは、従来のコミュニティや、権威の手を借りずに言葉を遠くに飛ばしてくれる。でも、だからこそ、その魅力に人々が取り憑かれておかしくなっている。
子どもとSNSの問題はよく取り沙汰されますが、それ以前に考えないといけないのは、SNSと大人の関係だと常々思っています。
SNSは国道に似ている
「いったいSNSとどう向き合っていけばいいんだろう」と考えていた時、ある例えが浮かびました。それは小さい頃、「国道は危ないから気をつけるんだよ」とずっと親に言われていたことです。
東京23区とは比べものになりませんが、生まれ故郷の長野県安曇野市を走る国道の交通量は多く、幅員は広く、遠くに続いています。制限速度も速い。
新しいものは、まずこの脇に作られます。
でも、当然ですが、道はそれだけではありません。国道の奥には、古くからのお店が並ぶ旧道があります。さらにその奥にはカエルの声が聞こえる田んぼ道。私は田んぼ道に囲まれて生まれ育ちました。
国道は便利です。ワクワクする場所でもあります。
でも、だから、危ない。
ここを散歩はしたくないし、脇に住むのは絶対無理。使うのはたまにでいい。
年初より、XをはじめとするSNSから意識的に距離を置き、つくづくそう思いました。
SNSから離れると、言葉がガヤガヤしていなくて、ゆっくり流れる。とても平和です。でも時には国道に出ることも必要なんですよね。
人によっては国道の脇が大好きで、朝から晩までそこにいたい人、そこにいても平気な人もいるんだと思う。でもそれは私の価値ではない。
言葉を使うことを仕事にする人間として、自分の言葉をどこに置きたいだろうとずっと考えていました。
旧道とか、田んぼ道におきたい言葉がある
国道に出して遠くに飛んでいってほしい言葉もあります。でも、そうではない言葉たちも私はたくさん持っています。
でもそれは、本に置きたい言葉ともちょっと違う。私にとって本は、自分が経営しているカフェとか、飲食店とかに来てもらうイメージだから。
ニュースレターで発信する言葉は、本に比べると、少しだけ動きがあって、軽くて、流れる。でもそれらは、ビックテックの作り出したメガ道路ではなく、顔の見える人が作った道路に置きたい。
そういう意図で、今後theLetterからの発信をさせてもらいます。
コメントもぜひ入れてください。でもその際は、「目の前にその人がいたら、同じ言葉を私は選ぶだろうか」といった形で、ひと呼吸おいてから投稿してもらえると嬉しいです。
最後になりますが、ここに至るまでずっと伴走をしてくれた、濱本至さんにお礼を申し上げます。
それではこれにて、ニュースレター再開のご挨拶とさせていただきます。楽しみにしてもらえれば嬉しいです。
磯野真穂
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