子どもの気持ちと納得感を大切にする子育ての弱点?|森本あんりさん書評

『週刊新潮』より
子どもの納得感を大切にし、なぜそれをした方がいいのか、しない方がいいのかを説明する。「お母さんは、それをしてくれると嬉しい」「お父さんは、それをされると悲しい」といったアイメッセージを用いる。
このような子育ては、現代社会では正しいとされ、推奨されています。
ところが、このような子育てにも弱点があることを、20世紀半ばに指摘した社会学者がいました。イギリスのバジル・バーンステインです。バーンステインは、子どもの気持ちと納得感を大切にする子育ての中に、人々を疎外し、競争を加速させる社会の萌芽をみてとりました。そして、バーンステインの理論を大胆に拡張したのが、メアリ・ダグラスです。
森本あんりさんが『週刊新潮』に寄せて下さった書評のタイトルは
「つべこべ言わずにやれ!」と言えなくなった大人たち
少しドキッとしますが、バーンステインの理論の根幹を、端的にまとめてくださっています。
バーンステインはいいます。大人たちが「つべこべ言わずにやれ!」と言えなくなったのは、人間がやさしくなったからではない。社会の構成のされ方が変わったからなのだと。そしてその変化は、大人が子どもに向けて使う言葉の中に現れるのだと。
今では正しいとされる子育てに潜む危険性とは何なのか。
ご関心ある方は、『社会が壊れるその前に メアリ・ダグラスの人類学』(新潮選書)の第4章をお読みください。

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