“ベーシックポイント”の導入|AI時代に大学で教えるということ

AIが席巻し、何かを記憶する、知識を蓄えるといったことの価値が薄れいている時代にあって、大学教員は何をするべきなのでしょう。2024年より試行錯誤を続けた挙句、時代の変化に対応するための一つの試みとして、「ベーシックインカム」ならぬ、「ベーシックポイント」を導入してみました。
磯野真穂 2026.09.19
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2024年4月より自然科学系の大学である東京科学大(当時は東京工業大)に着任した私。授業のやり方に迷い、同年暮れには、原因不明の謎の発熱で寝込んだほどであった。

しかし少しずつやり方を工夫し、昨年末から今年にかけては、抜本的に授業のやり方を変更した。

導入したのはベーシックインカムならぬ、ベーシックポイント。

ゼミ進級や系の選択に影響することがあるため、科学大の学生はおしなべて点数を気にしている。なんなら満点が欲しいとか、90点以上じゃなきゃいけないとか。

他方で、文化人類学の教員としてはこれがとても悩ましい。まずもって、授業の中で最もどうでもいいものは、点数くらいに私は考えている。とはいえ、成績評価は大学制度の大前提にあり、これを全否定するのも極端だと思うので、どこかで折衷案を見出さないといけない。

その折衷案を見出すにあたって、私を悩ませるのが、本大学は素点で成績をつけなければならないこと。でもさ、文化人類学の授業における、83点と85点の違いって何?

もちろんこの形式に合わせるのであれば、すべてを選択問題にすればいい。

でもー

「ブリコラージュ」という概念を提唱したことで知られる文化人類学者は誰ですか。次のうちで正しいものを選びなさい

  • クロード・レヴィ=ストロース

  • 卑弥呼

  • ドナルド・ダック

  • リーバイ・ストラウス

なんて問題を出しても意味ないでしょ。

すみません。ふざけすぎました…。

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